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還る場所

だんなの祖父の家の裏に、お墓がある。
中華系のだんな一家は土葬なので、ずいぶん昔からの、いろいろな人が
そこに眠っているはずだ。
墓石があるわけではないが、埋めた部分が盛り上がっているので、すぐに
その場所は分かる。
すぐそばに、とてもとても小さく盛り上がっている場所があったので、
「これは誰か小さな子どものもの?」と聞いたら、だんなは
「私の妹」と答えた。
2番目と3番目の弟の間に、妹がいたそうだ。
「とてもかわいい、きれいな子どもだった」
そんな話は、もう話題に上ることもないほど、昔の話。
義父と義母は、この祖父の家に来ると、どんな気持ちなんだろうか。





「孫百人」と言われたツワモノの祖父が、先週のはじめに亡くなった。
ここ数年は、体もめっきり衰え、それに伴って心の方もすっかり弱り、
誰が誰だか分からない状態となっていた。
それでも、病院に入ることを拒んで、最後の最後まで、自分の家に
いた。

祖父は体が衰え始めたころ、自分の棺を用意していた。実際は義母が用意したのだが、
それを聞いた時に、私は「え!」とかなりびっくりした。
自分の棺を用意されたら、おじいさんは気を悪くするんじゃない?

「いい木で作った、いい棺よ。おじいさんも喜んでたわ」

そんなものなのかねぇ。

葬儀は3日間行われ、最後に棺が埋められた。場所はもちろん、家の裏。
奥さんや子どもや孫、近所の人たちのそば。

だんなが「お父さんもお母さんも、私も、死んだらここに埋められる」と言う。
「じゃ、私は?」
「・・・さぁ。ここでいい?」

ううむ。私も、そんなとこまで深く考えていないぞ。
しかし、カンボジアに住み続ける限り、やっぱり私も、そこ、なのかしら。
・・・・・・究極の、異文化適応、って感じ。

お祖父さん、安らかに。向こうで3人の奥さんたちと、けんかしないようにね。
by leng0914yuki | 2010-12-28 12:53
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