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育児と異文化適応能力

贅沢な悩み、母親のわがまま、と言われればその通り。
でもまぁ、書くことですっきりするかもしれない、と考えているので、
お時間あったらおつき合いください。









3月ちゃんを生んだその日から(いや、その前から)、大変お世話になっている
だんな家族。
出産後3ヶ月で復職できたのも、夕食作り免除されているのも、仕事の関係で
夜が遅くなれるのも、子どもが病気の時も仕事に行けるのも、気分転換に美容院
行ったり、マッサージ行ったり、本を読みふけることができるのも、ぜーーーーんぶ、
だんな家族がいてくれるから。
本当に、この人たちなしで、私はカンボジアで仕事しながら育児、家事をすることは
できない(両立、というよりは、私の中で仕事:育児:家事の比率は6:3:1だけど)。

3月ちゃんは、祖父母の家と両親の家を行ったり来たり。
時間的には、確実に祖父母の家にいる方が長い。加えて、祖父母は孫に
大アマなので、テレビ見放題、おかし食べ放題、ゲームし放題。
食事の時間にも食べたくなかったら、食べなくても叱られない。
私からすれば「ちっとは、叱ってくださいな」と眉をしかめることが
多い。
でももちろん、両親の家にいるだけでは味わえない良さもたくさんある。
とにかく、たくさんの人が住み、出入りする家なので、いろいろな人と交流できる。
いとこもたくさんいて、外で駆け回って遊ぶことができる。けんかもたくさんするから、
大変強くなれる。

そういうこと全てひっくるめて、私は、3月ちゃんには「祖父母の家では
祖父母の家のルールに従って生きる。しかし、両親の家では両親の家のルールに
従って生きる」ことを学んでほしい、と願っている。それが私の唯一と言ってもいい
育児方針だ。
いや、というより、育児に対する価値観の違いが原因で起きる
モヤモヤや、自分の許容範囲を超える出来事が起きた時に、自分の中で
折り合いを付ける、妥協案なのかもしれない。

3月ちゃんにしてみれば、優しい祖父母、一緒に遊べるいとこのいる
祖父母の家にいることのほうが大好き。前にも書いたことがあるけれど、祖父母
の家から帰りたくなくて、泣き叫ぶ3月ちゃんを抱きかかえて帰ったこともある。
私の仕事の都合で、祖父母の家に泊まってもらうこともあるのだから、3月ちゃんに
してみればいい迷惑、「あたしの都合もかんがえなさいよ!」てなもんである。
泣く3月ちゃんを見て、祖父母の方は「もういいよ、うちに泊まりなさい」と
言ったりもしていたが、私は丁重に、しかし断固としてそれを断り、3月ちゃんを
連れて帰っていた。
寝る時は、両親と一緒。泣いても許されんこともある。けじめのように思っていたからだ。

1月末に、新しい家に引っ越した。
引っ越し先は、周りにお店が少なく不便な反面、とても静かで私は気に入っている
(これまでは、車通りがけっこうあり、夜もカラオケ屋の音楽が聞こえていた)。
荷物を運び入れて住み始めたものの、外の壁や防犯のための柵作り等、まだ工事が
必要な部分が残っていたため、工事人が朝から晩まで庭にいる状態だった。
そのため、祖父母は引っ越し初日から我が家に泊まり込み、日中家にいられない我ら
夫婦の代わりに、工事を監督していた(こちらでは、工事人のことを一切信用せず、
ものを盗んだりすると考えている)。
つまり、家に祖父母がいる状態が続いた。

こうして、3月ちゃんにとっては我が家が祖父母の家も同然となり、朝も早くからテレビを
見放題、ご飯も歩き回って食べる。我がままし放題、言い放題の状態となった。
私は、私の家でそんなことは絶対に許さないので、テレビを消し、ご飯も時間通りに
食べなかったら食べさせない、座って食べさせる。
そうなると、3月ちゃんにしてみれば、優しいおばあちゃんといた方がいい。
工事が終わってから、つまりもう祖父母が泊まらなくてもよくなってからも、
「アマー(おばあちゃん)と一緒にいる」ことを主張するようになった。

私は、祖父母がこちらの家に泊まり続ける状況を、正直やめたかった。
3月ちゃんの中で、自分の家と祖父母の家の境界が曖昧になり、わたしの
言うことを全く聞かない状態(母<祖母)が日常になることが、いやだった。

昨日はそれで、爆発した。

祖父母の家で食事をもらっている時に、3月ちゃんはちっとも座って食べようとせず
あちこち歩き回って遊んでいる。
周りの人も、口では注意するが、本気で座らせようという気がないのは明らか。
私も、私のルールに従い、私の家ではないので本気の本気で注意はしない。

食事が終わって片付けて、さぁ家に帰ろうか、という時に
祖父母が3月ちゃんに別のご飯を準備しようとする。私は「時間に食べなかった
娘が悪いので、お腹をすかさせます。ご飯は用意しなくていいです」と告げた。
この嫁、本気で孫にご飯を食べさせないらしい、と察した祖父母。
3月ちゃんが例のごとく「アマーも一緒に帰るー」とわめき始めたので、
一緒に我が家へ行こうとする。もちろん、3月ちゃんの食事をもって。

私の「領域」で、勝手なことをするな!!!

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私は、いわゆる「異文化適応力」がない方ではない、と自覚もしているし、ずっとカンボジア
という異国に住み続けていることから、周りの人の大部分もそう思っているだろう。
しかし、私はこの「適応力」には2種類あると考えている(前にもこの内容を書いたことが
あるような気がするが)。
自分が「アウェイ」に行ってそこに適応する力(「アウェイ能力」)と、自分が「ホーム」にいて、
そこに訪れる「異人」を迎える力(「ホーム能力」)だ。
私は、アウェイ能力は強いけど、ホーム能力が弱い、とよく感じることがある。
一方、カンボジア人、少なくとも私の周りにいる義両親たちを見ていると、
アウェイ能力は弱いが、ホーム能力はものすごく強い、と感じる。

そんな私だから、自分の領域で、自分とは異なること、人(娘も含むのか)を
ありのまま受け入れるのはかなり努力が必要だ。今回はその努力を放棄した結果の
爆発と言える。
しかし、見つけ出した妥協案が「あっちの家で起こることは、あっちの家のこと」という、
何ともアウェイ能力の強い自分らしい方法なのが、今考えると大変おかしい。

夫婦だけで子育てしてたって、どんなに自分の思った通りにしつけしてたって、
衝突は免れないし、子は親の思った通りには育たない、ということは重々承知。

世界中どこでも起きている、育児問題の普通の愚痴、でした。
by leng0914yuki | 2013-02-07 19:51
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